アンリ のバックアップ(No.19)

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バスクラリネットは木管楽器のクラリネットのなかで低い音を出すもののことであり、
通常のクラリネットの2倍程度の胴体にサックスのようなベルがついている。
なお、バスクラリネットを現在の形に改良したのは
サックスを発明したことでも知られるアドルフ・サックスである。

名前の由来はアンリ・セルメール・パリの創業者、
「アンリ・セルメール」から来ているものと思われる。
日本ではもっぱら英語読みの「ヘンリー・セルマー・パリ」、
またその略称「セルマー」の名で知られている。
またセルマーのルーツはアンリ・セルメールと、
アレクサンドル・セルメールという2人の兄弟であるため
彼女が家族が好きだと言ってるのもここから来ていると思われる。
またアンリ・セルメールもクラリネット奏者であった。

彼女が長いこと日の目を見ることがなかったと言っている理由は、
バスクラリネットが独奏楽器として注目されてこなかった事、
1950年代まで、クラシックの演奏家にはバスクラリネットを専門とする奏者は
存在していなかった事が起因していると思われる。
18世紀末に「バスクラリネット」として世に送り出されたのち、
先述のサックスによってクラリネットとの運指の共通化や形状の改良などが加えられ、
オーケストラに定着していくのは19世紀の後期ロマン派以降。
そこでは専らベースラインの担当であり、主役を担う機会は少なかった。
よく聞こえる深い低音を生かした他の楽器のサポートやソロとしての起用は、
チャイコフスキーの「ドラジェの精の踊り（金平糖の精の踊り）」、
ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」終幕「イゾルデの愛の死」、
ストラヴィンスキーの「春の祭典」、シベリウスの交響曲第6番第1楽章、
比較的最近ではグローフェの「グランド・キャニオン」第3曲「山道を行く」、
ショスタコーヴィチの交響曲第7番第2楽章などがある。
バスクラリネットが独奏楽器として認められるきっかけとなったのは、
チェコ人のジョゼフ・ホラークが1955年3月23日にはじめて
バスクラリネットのソロリサイタルを開催したことである。
1950年ごろから音楽史上の現代音楽になっていくので、
認められるようになってきたのは本当に最近の話であることがわかる。