「クラリネットをこわしちゃった」のクラリネット。 木管楽器といえばコレと指す人は大抵吹奏楽経験者の人。
黒色で色々銀色の金属(キーと呼ばれる)が付いている楽器で、リードで息を震わせて音を鳴らす木管楽器。
ガールズシンフォニーでも多くのクラリネット属(祖先も)が登場しているが、大体クラリネットと言えばこの「B管」か「A管」である。
どうして吹奏楽の人間はコレを上げるのか
実はクラリネットはオーケストラ・吹奏楽双方で登場するが、立ち位置が大きく異なる楽器である。
オーケストラではクラリネットは所謂脇役のようなポジションであり、目立つことはあまり無い。
吹奏楽だと「オーケストラのヴァイオリン」枠が「クラリネット」になり超重要なポジションとなる。
しかし外部の人間はこの事情を知ることはあまりなく、音や演奏の姿から「サックス」「フルート」を木管楽器の代表として上がる事が多い。
この傾向は吹奏楽部に入部した時にも遺憾なく発揮されたのを見たことがある・体感したことがある・巻き込まれた事があるだろう。
(やりたい楽器でサックスやフルートを上げたのにクラリネットに回された なんて人)
一つ加えておくと「吹奏楽におけるクラリネットの人数」は相当数必要となる。
50人編成で組まれる事が多い吹奏楽で8~10名。 2割前後必要でありその確保にこういう事象が発生する。
で、やってみるとサックス・フルートよりメロディが多くて演奏してて楽しいのがクラリネット。
余談だがB管まで指定されたら「こいつクラ経験者だ」と突っ込んでも良いレベルである。
(吹奏楽で使われるのはこのB管。A管は逆に殆ど使わないがオーケストラでは両方使われる。)
クラリネット属の実態
ガールズシンフォニーでも古典クラのシュードラ、A管のアリーネ、Es管のエスクラ、バスクラのアンリ、バセットホルンのプレスターが登場し
ヴァイオリンに匹敵するぐらいの規模を持っているが、実はまだ居る… というか滅茶苦茶居る。
・ソプラニーノクラリネット ←エスクラはココ
・ソプラノクラリネット ←アリーネ・ブランはココ
・アルトクラリネット
・バゼットクラリネット
・テナークラリネット ←プレスター(バゼットホルン)はココ
・バスクラリネット ←アンリはココ
・コントラアルトクラリネット
・コントラバスクラリネット
・オクトコントラバスクラリネット
・古典クラリネット ←シュードラはココ
この各種クラリネットそれぞれに「管調」と呼ばれるものが存在する。
ブランとアリーネは持ってる楽器のサイズから「ソプラノクラリネット B♭管」「ソプラノクラリネット A管」。
エスクラは「ソプラニーノクラリネット Es管」だと思われる。 持ってる楽器は多分コントラアルトぐらいあるよね
この管調と楽器の種類で演奏できる音域がある程度決められており、不足分は補う必要がある。
特にブランとアリーネの関係は実楽器演奏でも重要な関係だったりもする。その為オーケストラでは持ち替えてでも使うほど。
衝撃のBフラット
上記で「B♭管」と言ったが、「B管」と「B♭管」は基本同じ。
要はドイツとフランスで管調の記載が異なっているだけである。
知らない人からしたら別物とツッコミたくなるが、この場合は一緒という衝撃の事実だった。
あーちゃんと同じ感覚で使えるよ
上記で管調がある事を言ったが、実はカテゴリさえ合ってれば殆ど必要な操作が変わらないのがクラリネットの特徴。
しかし同じ操作をしても出る音が異なるから「移調楽器」なのである。 移調楽器はトランペット等も該当する。
歴史
祖先はというと「シャリュモー」という楽器。 しかしこの楽器の欠点として「音程域」が狭かった。
そこでデンナー(ドイツでリコーダーやフルートを作ってた会社)がシャリュモーにキーという「これを1箇所押すだけで穴を複数塞ぐ」金属部品を加えた。
その結果音程域が拡張し、かなり高音な音が出せるようになったのである。
その音の域から高音トランペット「クラリーノ」から「クラリネット」という名前が付けられた。
ここで重要な要素である事が分かった「キー」だが、いくつかパターンが存在する。
今でも幾つか種類が存在するがそれぞれ一長一短な所がある。 おそらく触ったことがあるのは「ベーム式」と呼ばれるもの。
ベーム式はフルートを元に作られたキーパターンであり演奏のしやすさが特徴。
コレ以外に「ミュラー式(今あるキーパターンの下地となったもの)」「エーラー式(ミュラー式の改良版。ウィーンフィル等ではこれを採用している)」等がある。
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