エルベル のバックアップ(No.37)

トライアングルについてはアンゲリカを参照。

二次元から飛び出したり、天界から来たりなトライアングルの音精。
…色々突っ込みたい所はあるだろうが一応理由がある。

天使とトライアングル、そのルーツ
アンゲリカでも触れていた「二次元の絵」の中身は「天使がトライアングルを演奏している姿」である。
その為か礼拝でも使われた神聖な楽器として扱われており、「天使が演奏する楽器」と扱われていた一面も。
今ではトライアングルではなく協会の鐘から「ベル」の方が認知されており名前の名残もそちらが強い。
そのため「エンジェルベル」という中身は「ハンドベル」と「トライアングル」の２楽器を指す事もある。

これと別に「トライアングルがトライアングルじゃない」という時期も存在した。
トライアングルの形状は今のような「1箇所が切れている正三角形」だったわけではない。
絵は正三角形だが、描かれた時期のトライアングルは二等辺三角形だったり、切れていなかったり、輪っかが付いていたのである。
実際アンゲリカが持つトライアングルは途切れており、エルベルが持つトライアングルは途切れていないのが分かるだろう。
(絵のトライアングルはまさにエルベルが持ってるのと同じ「途切れていない正三角形」。 こっちが飛び出して来た方なんじゃ…)
なおトライアングルの途切れている部分にはきちんと理由がある。
トライアングルのちりりーん♪を出すには「途切れている」必要があり、途切れていないと音が長く響かない。
また最近のトライアングルは尖っていたり、先端部分だけ少し口径を小さくしていたりと様々な工夫がされている。

またトライアングルはルーツがハッキリしていない楽器でもある。
一番有力なのが上記の絵やモーツァルトの楽曲、それ以外に古代エジプト時代の楽器「シストラム」ではないか
欧州で14世紀には既にトライアングルの楽器が知れ渡っていた、古代から既にあった　等かなりバラバラ。

鳴らすのは簡単、演奏するのは難しい
打楽器全般に言えるが「鳴らすは簡単、演奏は難しい」という傾向があるが、トライアングルはその中でも飛び抜けている。
音の出しやすさは幼稚園児が楽器で遊ぶぐらい、演奏となるとプロ奏者でも難しいと言われる極端さを持つ。
理由として「形状」「譜面の要求内容とその実演」。　後者を実現しようとすると形状がやりづらいことこの上ない。
が、音の出しやすさも随一でありエンベルが持ってても普通に扱える。　

トライアングル協奏曲
…という楽曲が存在している訳ではない。　フランツ・リスト作曲の「ピアノ協奏曲第1番の第三楽章」のことである。
音の強さは無いが存在感が強いトライアングルでも珍しい「独奏」がある協奏曲であり非常に目立っていた。
その結果、音楽評論家のハンスリックに言われた比喩が「トライアングル協奏曲」である。　ひでぇ比喩。