フローラ・ヴェルディ のバックアップ(No.6)

ジュゼッペ・ヴェルディ（1813～1901）
イタリアを代表するオペラ作曲家。歌劇王。
有名な作品は、オペラでは「椿姫」「アイーダ」「オテロ」。
合唱曲では「レクイエム」。
性格は厳しく頑固一徹。
オペラ作曲家だからなのか、ヴェルディが書いた手紙には劇的な台詞が多用される。
また、商人の息子であったためか、商談、交渉事もうまく、イタリアのオペラ・ビジネスに変化を与えた。
ちなみに、ワーグナーと同い年である。

青年時代は不幸の連続で、最初の妻と子供を亡くして、作品を貶され、一時期引きこもりになった。
売れ始めたら売れ始めたで、ドクターストップがかかるまで仕事をしてしまう。

イタリアの革命期に国家統一のスローガン、「Vittorio Emanuele Re D'Italia」の頭文字がVERDIになることから、
国家統一運動の象徴に見立てられ、「仮面舞踏会」の公演では聴衆総立ちで「ヴェルディ万歳」を叫んだ。
その流れで、政治に特に興味がないにも関わらず政治家になってしまった、が数年で辞任。

それまでの集大成として傑作「アイーダ」が、尊敬する小説家の一周忌のために「レクイエム」が作られる。
この二つの作品に全力を尽くし過ぎたのか、その後は数年間作曲は行わずもう一つの仕事である農園管理に専念している。

しばらくの休止期間の後、「オテロ」の制作を始めるが、その途中にワーグナーの訃報が知らされる。
同い年のワーグナーの事は意識していたようで、ワーグナーの訃報を聞いて書いた手紙は有名。

「悲しい、悲しい、悲しいことです！　ワーグナーが亡くなりました！　（中略）彼は芸術の歴史に非常に強力な刻印を残した人でした！」

「オテロ」は、自分の過去の作品を超え、ワーグナーを打ち倒すことを目標にしていたという話もある。

最後の作品は喜劇「ファルスタッフ」。
この時期のヴェルディは、今までの厳しさがなくなり「ファルスタッフ」の主人公のように陽気であり、
「屋根裏にヴァイオリンを置いてみようか？」
みたいな冗談を手紙に書いている。

「ファルスタッフ」後は、慈善事業に力を入れている。
彼が計画し建設された「音楽家のための憩いの家」。
現在も機能しているこの養老院、ここの礼拝堂にヴェルディの遺体は葬られている。