銅鑼は金属製の円盤を叩いて音を出す体鳴楽器の一つである。非常に単純な作りのため世界各地に似たような楽器が存在するが、ここにおける銅鑼は中国における伝統的な楽器であり、円盤を枠の中に吊るし、ばちで叩いて音を出すものである。
【銅鑼と言えばモチロン中国ですヨ!】
銅鑼の起源は中国よりも南、タイやインドネシア周辺の南方民族の打楽器ではないかと考えられ、
それが中国に伝わり楽器として、あるいは合図を出す道具として普及していった。
古代中国の青銅器文明紀を考えると、紀元前1000年くらい前から銅鑼の原型のようなものは
存在していたのかもしれない。打楽器と人間の付き合いは長いですヨ~
日常では宗教の儀式や出航時、門開閉の合図等にも用いられ、現在でもその名残が垣間見える。
もちろんタムタム本人が述べているように戦場でも『陣鐘』として、中国のみならず
日本や東南アジア諸国で使用され、孫子の兵法書にも鐘や太鼓等を用いて軍を動かす旨が記されている。
ただし彼女は「戦闘開始の合図~」と言っているが、
中国や日本では進軍の合図は『鼓』が主であり『鐘』は進軍停止や退却を意味する。
他に部隊の整列時や鼓舞のために打ち鳴らすことはあったものの、どちらかと言えば
『戦闘終了の合図~』の方が正しいかもしれない。
よって基本的に
\ジャーン!/\ジャーン!/\ジャーン!/ げえっ、関羽タムタム!
とはならないものと思われる…。ワ、ワタシは細かいことは気にしないですヨ!
一方、楽器としての銅鑼は持運び・演奏のしやすさ、金属特有の高音域の響き、装飾性等からより小型に派生したものが多い。
もともと中国でも金属体鳴楽器のことを『羅』と呼び、大きさもせいぜい直径30~40cmくらい。
現在楽団で用いるような直径80cmもの羅はまずない。
中国の楽器『雲鑼』等を見ればお分かりいただけるだろう。
日本でも『鉦鼓』や『摺鉦』等の和楽器があり、似たような伝統楽器は東南アジア中に存在する。
そのまんま『青銅』でできた『羅』だから銅鑼なんですヨ~
【銅鑼は一発屋なだけじゃないんデスヨ!】
銅鑼と言うと一発【ドワアアアアアン】と鳴らすだけのような印象を受けるが、そんなことはない。
むしろ二本のマレットを使ったロールによるクレッシェンド奏法こそ銅鑼の真骨頂。【…コオオオオオオオオオオオオワアア"ア"アアアアアアアアアアアアン】
この奏法は楽曲の高潮部に使用されオーケストラのffをより強調させ、力強い響きを与えてくれる。
宴会好きな彼女に相応しい楽団の盛り上げ役である。面目躍如デスネ♪
無論、普通に一発叩く場面も多いがそういう場合でも全力で叩くのではなく
【コオオオオオン…】という風に、力を抑えて効果音のように鳴らす事が多いだろう。
他にも現代音楽では
スーパーボールで表面を擦ったり【キュワアアアアン】
コントラバスの弓で銅鑼の縁を擦ったり【シュウィイイン】
スネアドラムのブラシで擦ったり【シャラアアアン】
といった演奏方法もある。
中央や端、縁など擦る場所によって音が変わるので、適切な場所を擦るといいだろう(意味深)。
もちろん普通に叩く場合やロール時でもマレットの種類によって音が変わってくるので、
場面に応じて使い分けよう。
また銅鑼は叩くのと同じくらい『止める』ことにも気を遣う楽器である。
あのデカさの体鳴楽器ともなると余韻が半端ないのである。
曲が盛り上がったままならまだしも、速やかに音量を落とさないといけない場面では
いかに素早く、かつ余韻を残しながら銅鑼を止めるかが勝負である。
マレットで銅鑼表面を撫でまわしたり
背中や尻を当てて抑えたり
場合によっては 抱 き 着 い て でも止めなければならないこともある。
タムタムさんさんが戦闘中に我を忘れて突っ走ってしまった時同様
演奏者は適切に止めてあげるといいだろう。頼りにしてますヨ!
余談だが彼女のスキルエフェクトに出てくる『轟』の文字。
これは『轟音』のことを指していると思われ、『すさまじく大きな音』という意味である。
銅鑼の音を轟音と表現することもあるため、この文字があてがわれたのだろう。
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