パメラ・デ・サラサーテ のバックアップ(No.13)

パブロ・デ・サラサーテ（1844 - 1908）、スペイン出身のヴァイオリン奏者・作曲家。
スペイン北部、かつてのナバラ王国の首都パンプローナで楽団指導者の父の下に生まれたバスク人。
若干10歳で女王イサベル2世の前でヴァイオリンを披露してその才能を認められ、支援を受けてパリ音楽院に留学。
優れたヴァイオリン奏者として名高く、自ら演奏するためにヴァイオリン曲を中心に作曲家としても活動した。
故郷スペインの民謡や舞曲の要素を作曲に取り込んだ、国民楽派の作家に位置付けられる。
史実ではサン＝サーンスと仲が良く、青年時代にともに演奏旅行をしたり、彼から曲を贈られたりしている。

代表曲は音楽魔法の名にもなっている『ツィゴイネルワイゼン』（1878）。曲名は「ジプシーの旋律」の意。
管弦楽、またはピアノ伴奏つきのヴァイオリン曲で、サラサーテ本人の演奏による音源も残っている。
現在でもヴァイオリニストの定番であり、冒頭部の旋律が特に有名。
……が、日本ではこの冒頭部、絶望や驚愕を表すためのネタ的な効果音として使われることも多い。
ゲーム『極上パロディウス』のモアイステージ、アニメ『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』挿入曲、
そして吉本新喜劇での桑原和男のネタ「神様～！」などが指揮者層にはなじみ深いだろうか。

特殊攻撃の『バスク奇想曲』（1880）は、左手の人差し指～薬指で弦を押さえ弓で演奏する間に、
左手小指で弦をピチカートする（弾いて音を出す）という技巧的な曲。

また、ビゼーの代表曲『カルメン』をヴァイオリン曲にパラフレーズ（改訂）した『カルメン幻想曲』（1883）も
演奏される機会が多い。