コルネット
角笛やホルンを意味するイタリア語のcorneに縮小語尾のettoがついた「小さな角笛」という名前の管楽器。
19世紀にピストンバルブ付きの「コルネット・ア・ピストン」が発明されてから開発が進み、軽快な操作性から人気に。
ピストンの有用性を実証したことで、トランペットにもピストンが取り付けられるようになった。
トランペットとどこがどう違うのかと言えば、管の長さのうち円筒管と円錐管の比率が違うとのこと。
それぞれまっすぐ伸びてる部分と広がっていく部分のことだが、コルネットのほうが円錐管(広がる部分)の割合が大きい。
また、トランペットの管が1回巻きなのに対してコルネットは2回巻き。小学生など小柄な奏者にはコルネットのほうが正しく構えやすいようだ。
両者の音を比べるとトランペットは強弱の効いた華やかな、コルネットは滑らかで柔らかな音を得意とする傾向にある。
昔はどちらも併用されていたが、しだいに住み分けがされて管弦楽ではトランペットが主流に。
コルネットは吹奏楽や英国式ブラスバンドが活躍の舞台となっている。
オーケストラではトランペット奏者がコルネットに持ち替えたりもするそうだが。
コルネットの中にもB♭管とE♭管の違いがある。
B♭管はベルリオーズやチャイコフスキー・ストラヴィンスキーなどの管弦楽で用いられ、トランペットと同じ音域。
E♭管はより高音に強く、ソプラノコルネットとも呼ばれてブラスバンド向き。
さらに言えばアメリカ式のロングコルネットはジャズ・吹奏楽用でトランペットに近い音を出し、
英式のショートコルネットは英国式ブラスバンド用でまろやかな音を出すらしい。
こだわろうと思えば金属の材質や表面の仕上げ、ベル(円錐管部分)の加工方法でも音色に違いが出てくるので、とにかく色んなコルネットがあると覚えておこう。
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