アーニャ のバックアップ(No.20)

オーボエ・ダモーレはオーボエ属に分類されるダブルリードの木管楽器の一種。オーボエの移調楽器である。
直訳するとイタリア語で「愛のオーボエ」となる。

通常のオーボエより管体が長く、ベルが卵のように膨らんだ形をしている。
管体が長くなると音域が低くなるため、通常のオーボエはC管(ハ長調)であるのに対し、オーボエダモーレはA管(イ短調)で音程は短３度低い。

吹き方や運指はオーボエと同じであるため演奏ではオーボエ奏者が持ちかえて演奏する。

元来はバロック期後半、1720年頃のドイツで発明されたとされたと考えられ、当時のドイツ音楽でよく使用されていた。
ヨハン・セバスティアン・バッハはこれを多用し、「ミサ曲ロ短調」「マタイ受難曲」ほか、カンタータ作品の伴奏、オブリガートで重要な役割を担っている。
テレマンもまた、この楽器の為の協奏曲を多く残している。
18世紀後半、バロック音楽期の終焉と共に人気が衰え、古典派期以降忘れられたが、近代に入ってモダン・オーボエの技術を取り入れて再興、
ラヴェルの「ボレロ」、リヒャルト・シュトラウスの「家庭交響曲」、ドビュッシーの「管弦楽のための映像」で用いられている。
また、バロック期当時の技術で再現されたものも、古楽の演奏で使用されている。

ダモーレとつく楽器は他にもフルート・ダモーレ、ヴィオラ・ダモーレがあり、甘く柔らかい音色が愛を語っているように聞こえた事から「愛を表現する楽器」としてダモーレ、とついたのだとか。