ペッテ のバックアップ(No.20)

どんなに音楽に疎くとも、どこでもこなせるにくいヤツ
ラッパもといトランペットの名を知らぬ者はいないだろう。
ご本人が仰る通り、知名度も音もマジのスターである。

現代の一般的なトランペットは3つのピストン・バルブで奏でる仕組みである。
ピストンの下部、スライドと呼ばれる管をその名の通り時折適切に伸び縮みさせる事で、
高音域に個人差はあれど2オクターブほどの差を奏でることが出来る。

トランペットの何が良いか、主役級の存在感を放つ高音である。
主旋律も曲の切り替えの後押しも裏打ちも、どんなときも素晴らしい存在感なのだ。
主旋律を他楽器が担うこともあれど、共に奏でればトランペットの陰に隠れてしまう。
大勢の中で栄えると言うことは、無論ソロでも特大の存在感を放つ。
大勢でも少人数でもボッチでも、どこでもなんでも主役でやっていける。それがトランペットなのである。

そんな主役をバンバンこなせれるトランペットだが
やはり主役楽器と言うべきか「この曲専用に作られたトランペット」も存在する。

　「アイーダトランペット」

名前の通り歌劇"アイーダ"の1曲(凱旋行進曲)専用の為のトランペットである。
特徴はピストン周辺からベル先までの間が長くなっており管長約1.2mと異例の長さ。
奏者からすればアンバランスさ故に演奏しづらい事この上ないが、演奏している姿は正に圧巻。
今ではアイーダに限らず、その演奏姿からファンファーレ等でも使われている。

生まれは石器時代、粘土や陶器で作られていたそれは、エジプト王朝時代には金属製となって軍用トランペットとして存在していた。
ピストンバルブはなく、唇の調整によって奏でられるため決まった音しか出せなかったが、
時間や撤退などの知らせや合図を告げるに役立っていた。
それは時を経ても変わらず、現在では各国の軍の音楽隊の一員として存在している。
彼女の時間が分かる特技と、ミニタリーを思わせるダークグリーンの洋服はそこから来ているのだろう。

↑ペッテのトランペット