オリヴィア/ヴァニラ のバックアップ(No.29)

(1-1)オーケストラのヴィオラセクションの第１列と最終列の違いは？1.音の長さの半分。 2.半音。
(1-2)音程ばっちりのヴィオリストの噂を聞きましたか？いえ、わたしも聞いたことがないんですが....。
(1-3)デジタル録音だと途端にビオラが聞こえなくなるのは何故なんだろう？「録音性能が良くなって、あらゆるノイズを消しちゃうからさ」
　(1-1)の1は音の出すタイミングがずれている、2は音の高さがずれていることを意味する。
　ヴィオラの楽器の特性上音が遅れて聞こえたり、音が合わせにくい（後述）ということもあるが、これらが意味することは、おそらくヴィオリストにうまい人はいないということ。

(2)雷とビオラ奏者の指との共通点は？ 「二度と同じ場所に落ちない」
　これはつまり、2度と同じ音がならないということ。
　ヴァイオリンは指を1つ隣に置くと音が半音上がるといわれているが、ヴィオラは楽器が大きい分指の間隔がそれよりも少し広くなる。
　また、小指を使うときには小指をしっかりと伸ばさないと音が低くなってしまう。
　ヴィオラはほかのパートに比べてパッとしないためうまい人が集まらないという意味もあるかもしれないが、単純に音が取りづらいという意味もあると思われる。

(3)なぜビオラってあんなに大きいんだろ？「目の錯覚だよ。よく見ろよ、ビオラが大きいんじゃなくて、ビオラ弾きの頭が小さいんだから」
　ヴィオラとヴァイオリンは形が似ているが、大きさが違うというところから生まれたジョークであると思われる。

(4)「助けて！」と沈んでいく船の上でチェリストが叫んだ。「僕は泳げないんだ」それを聞いたビオラ奏者、「心配するな、真似だけすりゃあいいんだ」
　ヴィオラがメロディーを弾くときは、ヴァイオリンやチェロなどと一緒に弾くことが多い。
　一緒に弾くということを"真似をする"と表現したものであると思われる。

(5)何故ヴィオリストは背中にナイフを入れて演奏できないのですか？そんなことをしたら椅子に寄りかかれなくなってしまうからです。
　弦楽器を弾くときは、背もたれに寄りかからないように弾くのが良い姿勢であるとされる。
　ヴィオリストはそれもできないということ。

(6-1)ヴィオラとトランポリンの違いは？トランポリンの上で飛び跳ねる時は靴を脱ぎます。
(6-2)ヴァイオリンとヴィオラの違いは？1.ヴィオラの方が長く燃えます。2.ヴィオラの方がたくさんビールが入ります。3.ヴァイオリンは調弦できます。
　ヴィオラをけなしているジョークの例。ヴィオラはほかの楽器に比べ目立たないため、
　なくなっても困らない→ヴィオラをけなすとなったのだと思われる。
　ただし、ヴィオリストが場を盛り上げるために自虐ネタをいうこともあるらしい（？）

(7)ヴィオリストの脳みその大きさがグリンピースぐらいなのは何故？アルコールで膨れたからです。
　同様にヴィオリストをけなしたジョーク。ヴィオラは、同じ音の繰り返しや刻みなど単純な旋律を弾くこともあるため、
　何も考えなくても弾ける→ヴィオリストをけなすとなったのだと思われる。

(8)あるヴィオリストが定年を迎え、ヴィオラケースを携えて帰宅しました。妻はそれを見て一言。"まあ、それは何？"
　自分の夫がやってる楽器のことを知らないほどヴィオラの知名度が低いということ。
　ちなみに、ドイツには楽器をロッカーに入れたまま家に持ち帰らない演奏者がいるらしい。

(9)ヴィオラの３つのポジションは何ですか。Erste Lage、Notlage、Niederlage。
　Erste Lageは"第１ポジション"、Notlageは"緊急"、Niederlageは"破滅"の意味のドイツ語。
　弦楽器にはポジションというものがあり、ポジションを変えることにより曲が弾きやすくなったりより高い音を出せるようになったりする。
　第１ポジションとは最も基本的なポジションのことで最も低いポジションの一つである。
　（正確にはさらに低いポジションであるハーフポジションというものも存在する）
　これができないと弦楽器が弾けないので、まず最初に練習することになる。
　ほかの２つの語はポジションの"Lage"と-lageで終わるダメな語をかけたもの。
　要するに、ヴィオリストはポジションは１つしか知らない＋演奏がダメという意味。

まとめると、これらのジョークは
　　1.ヴィオリストにうまい人はいない
　　2.ヴィオラは目立たない・知名度が低い
　　3.ヴィオラがメロディーを弾くときはたいていどこかと一緒
　　4.(2,3の理由から)ヴィオラは無くても困らない
　　5.ヴィオラの旋律を弾くのは簡単
というようなヴィオラのイメージから生まれたものであると思われる。

最後に、ヴィオラジョークについて調べた論文についてのHPあるので参考文献としてのせておく。
・ヴィオラの豆知識｜ビオラジョーク
　（http://we-love-classic.com/gakki/vla/mame-zyoku.html）

ヴィオラ（viola、略号Va）

ヴァイオリン属の擦弦楽器の一つで、主に中音域を担当する。
形はヴァイオリンとよく似ているが、大きさがヴァイオリンより一回り大きい。
調弦はヴァイオリンより５度低く、C・G・D・A。
音色は華やかな音が特徴のヴァイオリンと異なり、深く柔らかい音がでる。
弾き方がヴァイオリンと似ているため、ヴィオラとヴァイオリンを持ち替える人も多い。
ヴィオラの楽譜にはおもにハ音記号が使われ、高音域ではト音記号も使用される。
オーケストラでは、響きのバランスを取り高音域と低音域の楽器をまとめるという重要な役割があるのだが・・・
あまり目立たないことが多いため、一般の人には重要さをあまりわかってくれない・・・。
（そもそもヴィオラのことを知らないという人も多い・・・）

またヴィオラは、作曲家からも長らく独奏楽器としては無視されてきた。
ヴィオラは合奏のみに使用され、使用されてもリズムを刻んだり同じ音を引き続けたり・・・。
メロディーを引くときもヴァイオリンもしくはチェロと一緒に弾くことになり、やはりあまり目立たない・・・。
だが、近代以降ではヴィオラの独奏曲も作られるようになってきた。

このように存在感が薄く目立つ機会が少ないヴィオラには、音楽家の間でのみ通用する様々なジョーク（ヴィオラジョーク）が存在する。
その中には少々過激なものもあり、オリヴィアが二重人格になってしまったのもなんとなくわかる気がする・・・。

ヴィオラ（やヴィオール）はもともと擦弦楽器全体の総称であった。
ところで、ヴィオラという名前をみてビオラという花を思い出した方もいるのではないだろうか。（特に団長様）
一説によると、ヴィオラという名前はヴィオラ（擦弦楽器）の形がビオラの花びらに似ていたため、そのような名前が付いた。
ちなみに、ヴァイオリンの語源は小さいヴィオラを意味するviolino（伊）である。

ヴィオラは言語によって名前が違う。英語やイタリア語ではviolaであるが、
フランス語ではalto、ドイツ語ではbratsche（ブラーチェ）という。
ドイツ語の由来は、もともとヴァイオリン属の楽器（もしくはその祖先）のことを、
ヴィオラ・ダ・ブラッチョ（viola da braccio：腕のヴィオラの意味）と呼んでいたためである。

ヴィオラのサイズは、ヴァイオリンよりも音域が5度下がるため本来はヴァイオリンの大きさの1.5倍ほどの大きさが必要になるといわれている。
しかし、そのようなサイズのヴィオラは大きすぎてあごに挟んで弾くことができない。
そのためヴィオラのサイズは特に決まっておらず、ヴィオラ奏者は自分の弾ける中で最も大きいヴィオラを選択するのが良いとされる。
ただし、実際には厚さや幅などを工夫することで共鳴箱（本体）の大きさを取ることができるので、
きちんと制作されたヴィオラであればヴァイオリンの1.5倍の大きさが無くても十分とされている。

ヴィオラの弦はその楽器の大きさからヴァイオリンのものに比べ長く、また太さも太い（同じ音の高さの弦であれば）。
ヴィオラの弓はヴァイオリンのものよりも若干短いが重い。

「ヴィオリストってのはね、ヴァイオリンとヴィオラの見分けがつかなかった、気の毒なアホがなるものなんだよ」
「タマネギとヴィオラ、偉いのはどっち？　答えはタマネギ。タマネギを切り刻むと涙が出るけど、ヴィオラは切り刻んでも笑いしか出ない。」
(イベント イースター狂騒曲 より抜粋)

いずれも実在するジョークである。「ヴィオラ・ジョーク」で検索すると他にも大量に出てくる。
現在でも「ヴィオラの第一人者なんてものはいない。（それほどの腕があればヴァイオリンへ鞍替えしてしまう）」というジョークが残っている。

ヴィオラはヴァイオリンの横でリズムを刻んだり、同じフレーズを繰り返すだけだったりと、オーケストラの中で地味な役割を担う事が多く、なにかと影の薄い存在である。それゆえか、なぜヴィオラ・ジョークがあるのかという問いに対するジョークとして「ヴィオラの連中は楽な仕事して同じ給料とっているからだよ」というジョークもある。
ワーグナーも「ヴィオラは（一部希な例外はあるが）技術的に劣ったヴァイオリニスト、またはちょっと弦楽器をいじったことのある引退した管楽器奏者によって演奏される。」と語ったとかなんとか。

ただし、ある程度ヴィオラのことを知らないと理解できない自虐ネタや内輪ネタのようなブラックジョークも多く、ヴィオラ奏者達自身もジョークにのっかっていたような節もあるため、ただヴィオラを蔑むためのジョークとは一概には言えないようである。