レオナ・ミンクス のバックアップ(No.35)

モデルとなったレオン・ミンクスは1826年3月23日オーストリア帝国の首都ウィーンのイナーレ・シュタット地区で生まれ、ロシア帝国で活躍した19世紀のバレエ音楽の人気作曲家。
本名はルートヴィヒ・アロイジウス・ミンクス。

8歳にしてウィーンでバイオリンのリサイタルを開き新聞記事で賞賛され、天才児ともてはやされた。このエピソードがキャラクターの容姿に影響しているのかもしれない。
学生だったうちからバイオリンの曲を書き始めていたが、まだ作曲家というよりはバイオリニストとしての活躍が主で、オーストリア以外にもドイツ、フランス、イギリス等各地を回っていたようだ。

1852年にはウィーン宮廷歌劇場の首席ヴァイオリニストの地位を手に入れたが、これを良しとせず翌年の1853年(27歳頃)、ロシア・サンクトペテルブルグに移住した。
ロシアに移ってからも指揮者やバイオリニストとして活躍し、1857年にはプライベート用に初めてバレエ音楽を書いた。
1860年頃からは所属する劇場等でバレエの上演で曲を演奏する機会が増え、振付師サン=レオンから幕間に演奏する曲を書くよう求められた事から自らも本格的にバレエ曲を書くようになったようだ。
1863年サン=レオンの振付で作曲したバレエ「フィアメッタ」(初演時はラ・サラマンドールのタイトル)を上演すると大成功を収めた。
サン=レオンとはその後もいくつもバレエ作品を作り成功を収めたが、大失敗も犯し1869年にサン=レオンは失脚した。

余談だが、1866年初演となったバレエ「泉」を手掛けた際、締め切りに間に合わずに急遽レオ・ドリーブとの合作となり、ドリーブが脚光を浴びるきっかけとなったというエピソードがある。

振付師マリウス・プティパは新たな演目「ドン・キホーテ」を作ろうとしていたが、予定していた作曲家に強く不満を抱いており(アルコール依存症等で)、サン=レオンの紹介もあってミンクスの元にやって来た。プティパはミンクスの曲に大変満足し、1869年12月26日ボリショイ劇場で初演が行われ大成功を収めた。
プティパとは、1886年にミンクスがサンクトペテルブルク帝国劇場から退職するまで、バレエ作品を作り続け、数々の成功を収めた。

その後、1891年にはオーストリアに帰国、ウィーンに戻りロシアからの年金で生活していたが、第一次世界大戦の開戦で年金が止まり、貧困が元で1917年12月7日に亡くなった。

ミンクスの3大バレエ曲として

• ドン・キホーテ (1869年)
• ラ・バヤデール(ロシア語:バヤデルカ) (1877年)
• パキータ (1881年)
  があり、現在でも世界中のバレエ団の基本演目となっている。

また1884年頃、ロシアで公演されていたアドルフ・アダンの『ジゼル』のアレンジを手掛けている。
『ジゼル』は本国フランスでは1868年に上演が途絶えていたため、ロシアで生き残り現在も広く公演されているのはこの「ミンクス版」と呼ばれるバージョンである。