チター(ツィター、独語でZither)は主にドイツ、オーストリア、スイスなどでよく使用されるアルプス山脈東部チロル地方の民族弦楽器。 彼女の格好がアルプスの民族衣装「ディアンドル」をモチーフとしているのはここが由来。 ドイツ由来のビールのお祭り「オクトーバーフェスト」でドイツ美女達が着ている民族衣装と言えば分かりやすいだろう。シシィちゃんにビール注いでほしい 因みにこのディアンドル、現在ではあまり区別されていないがエプロンの腰ひものリボンの結び目の位置で婚姻状況を表す。 具体的に言うと前面左は「独身」、前面右は「既婚」、後方は「未亡人」を表す。 シシィはチターを前に抱えているためリボンの結び目は見えないが、少し見えているリボンの先だと思われる黒い紐の位置に注目すると………
チターに似た楽器は世界中に存在し、日本で言えば箏もチターの仲間である。 元はチロル地方の民族楽器に過ぎなかったチターだが、19世紀に起こったヨーロッパロマン主義による自然回帰運動の中で人々がアルプスやバイエルン地方の豊かな自然に触れるようになり、チターもこの地方の民族楽器として知られるようになる。 各地でチターの演奏活動や教育が進みギターやヴァイオリン製作に携る工房もチターの製作を初め、チターはその最盛期を迎える。 ウィーンのチター製作者であるキンドルという人物は、弟子たちと共に1895年までの50年間に、5万台ものチターを製作した記録すらある。 しかし、近年はシシィが言うように演奏の難しさからチター離れが進んでいる。
名前の由来は19世紀のオーストリア皇后「エリザベート」の愛称である「シシィ」であると考えられる。 エリザベート皇后の父親であるバイエルン王国貴族マクシミリアン・ヨーゼフ大公は音楽の愛好家であり、自ら趣味としてチターを演奏し、製作改良、その普及に努めた人物である。 マクシミリアン大公は宮廷の格式ばった風潮を嫌い、一家で田舎に暮らし、エリザベートもまた幼少期を彼と共に狩や旅によく出かけていたようだ。 マクシミリアン大公は町に旅の演奏家に扮して時折出かけ、そのお供としてエリザベートも道端でチップを貰っていたという逸話がある。 当然市民にはバレバレであったようだが、気取らない彼女を市民は歓迎していた。 ひょっとすると当時の人々は「ディアンドル」に身を包んだ愛らしい「シシィ」を微笑ましく見守っていたのかもしれない。
チターの楽曲として日本で最も有名なものは、1949年にウィーンのチター奏者アントン・カラスが演奏した映画『第三の男』の『ハニー・ライムのテーマ』であろう。 どういう曲かというと某ヱビスビールのビール会社のCMに使われているあの曲である。 JR恵比寿駅で発着時に流れるあの曲である。 阪急電鉄梅田駅で終電間際に流れるあの曲である。 この曲を演奏したアントン・カラスついては軍司貞則氏がノンフィクション『滅びのチター師』を記しており、同書はラジオドラマ化もされている。 シシィのスキル名「滅びのチター」の由来はここから来ていると思われる。
‐ヤギのミルクについて‐
シシィが時報で話している通りヤギ乳はクセが強く青臭い。牛乳にも同じことが言えるだろうが、味に関してはヤギの生育環境・エサの質によるところが大きい。 しかし、ヤギ乳は牛乳より人間の母乳に成分が近く、また栄養価も高い。 牛乳と比較してもマグネシウムは20%、カリウムは45%、タウリンに至っては20倍も多く含まれている。 また母乳に近いため消化吸収もよく、アレルギーも起こりにくく牛乳アレルギーのある人の代替飲料として好まれてきた。 日本でも第二次大戦前の多くの民家でヤギが生育され、ヤギ乳は飲まれていたという。 とは言っても慣れないと飲みにくいのは事実。シシィの言うようにカフェオレにすると匂いも和らぎ、濃厚なバターの香りに変わるので、おススメだ。 ヤギ乳をそのまま飲む時も沸かして砂糖を入れるなどすると良いだろう。
ヤギ乳に関してもう一つ忘れていけないことはヤギ乳から作るチーズ「シェーブルチーズ」だ。 何千年もの歴史のある最古のチーズでありチーズの元祖とも呼ばれる存在だ。 味は特有のクセのある風味を持ち、塾生の浅い頃にはさわやかな酸味があり、熟成が進むにつれて深いコクが出てくる。 ヤギ乳から作ったチーズなため匂いが強く、独特の風味がするのでパンに乗っけてトーストにしたり、ジャムや蜂蜜などをかけて食べるとクセが和らぎ美味しく食べられるだろう。
|