レナ・ドリーブ のバックアップ(No.32)

クレマン・フィリベール・レオ・ドリーブ（1836-1891）

バレエ音楽や歌劇で知られるフランス・ロマン派の作曲家である。「フランス・バレエ音楽の父」と呼ばれる。優雅な音楽を特徴としている。
1836年、フランスの現在のサルト県に位置するサン・ジェルマン・デュ・ヴァルに生まれる。彼の父は郵便配達人、彼の母親は才能のあるアマチュア音楽家、そして彼の祖父はオペラ歌手であった。彼は、彼の父が1847年に死亡してからは、母親と叔父の手によって育てられた。
パリ国立高等音楽・舞踊学校（パリ音楽院）でアドルフ・アダンに師事し、作曲を学ぶ。1853年には聖ピエール・ド・シャイヨ教会オルガン奏者を務める。1891年、パリで没する。


―レオ・ドリーブとオペラ『コッペリア』―

1867年、彼はオペラ座の経営者に新進作曲家と期待をかけられ、低調を極めていたフランス・バレエ界の復興のために新作バレエ『コッペリア（Coppélia）』の作曲を依頼される。
曲は1867年秋には完成するが、オペラ座は稽古と上演準備に３年もかけ、オペラ座の総力を結集したバレエ『コッペリア』は、1870にようやく初演となる。皇帝ナポレオン３世を含む観客は、主演バレリーナ・ボツァッキの素晴らしい踊りとドリーブの優美な音楽に魅了され、初演は大成功となる。
しかし折悪く、この年に普仏戦争（独仏戦争）が開戦。オペラ座は9月31日に閉鎖され、皇帝ナポレオン３世は9月2日に捕虜となって降伏。同日、振付師サン・レオンが心臓発作で死去、パリ包囲最中の11月23日には、天然痘の流行と栄養失調により主演バレリーナ、ボツァッキも16歳の若さで死去。
翌年5月10日に戦争は終わり、『コッペリア』再演の話が出るも、振付師と主演バレリーナを失ったため難航。しかし関係者の執念により、10月16日に再演を実現、観客の熱狂的な喝采を誘った。
結局、フランスではその後バレエの衰退に歯止めをかけることは出来なかったが、ドリーブの『コッペリア』が示したロマンティック・バレエ音楽の理念は、ロシアのチャイコフスキーに受け継がれていく。

なお、『コッペリア』のオファーは、レオン・ミンクスとの合作となったオペラ『泉』がきっかけである。
『泉』は元はレオン・ミンクスが作曲するはずだったが、彼が締め切りに間に合わなくなったために急遽レオ・ドリーブに曲の続きの依頼がなされ、それによって脚光を浴びたという背景がある。


―スキル「踊る手紙」の元ネタ？―

レオ・ドリーブの作品に「手紙」や「郵便」といったテーマやキーワードのものは（ちょっと探した範囲では）見当たらない。
おそらくは、父親が郵便配達員であった事と、レオ・ドリーブの異名「フランス・バレエ音楽の父」から「踊る」というキーワードを織り交ぜたものと思われる。

参考：wikipedia、YAMAHAおんがく日めくり