#author("2021-07-02T17:43:33+09:00","","") #author("2021-07-02T17:53:13+09:00","","") //----------------------------------------------------------------------------- *ジャンヌ・シベリウス [#name] #region(''進化後''COLOR(white){_}) &attachref(シベリウス_進化後.png,nolink,60%, ){進化後の画像を添付}; #endregion #region(''超進化後''COLOR(white){_}) &attachref(シベリウス_超進化後.png,nolink,60%, ){超進化後の画像を添付}; #endregion //----------------------------------------------------------------------------- |CENTER:|>|>|>|>|>|CENTER:140|c |>|>|>|>|>|>|~プロフィール| |>|>|>|&attachref(シベリウス.png,nolink,50%, ){キャラクターの画像を添付};&br;&br;''私がジャンヌ・シベリウス、&br;人呼んで奇跡を起こす英雄だ。&br;&br;私の目的は祖国、そして全世界の開放。&br;神はお告げでこう言われた。&br;音楽院に行き、指揮者と行動をと物せよと。&br;&br;だから、ともに協力し合えると嬉しい。&br;……この口調は起こっているわけではないぞ。&br;&br;むしろ君には興味を持っているんだ。&br;神のお告げに出てきた人物が、&br;いかようなものなのか、な。''|~名前|>|ジャンヌ・シベリウス| |~|~|~|~|~レアリティ|>|[[★★★★★]]| |~|~|~|~|~属性|>|COLOR(purple):神秘| |~|~|~|~|~武器種|>|斬| |~|~|~|~|~種別|>|演奏家| |~|~|~|~|~出身|>|メドヴェーチ地方| |~|~|~|~|~好きな物|>|ロブスター| |~|~|~|~|~特技|>|神のお告げを聞くことができる| |~|~|~|~|~趣味|>|レストラン回り| |~|~|~|~|~長所|>|庶民に優しく気配りができる| |~|~|~|~|~夢|>|文明ギルドに奪われた故郷の開放| |~|~|~|~|~SD|>|&attachref(,nolink,80%, ){キャラクターアニメGIFを添付};&br;&br;&attachref(,nolink,80%, ){演奏会アニメGIFを添付};| |>|>|>|>|>|>|~パラメータ| |~LV100|~生命力|~攻撃力|~防御力|~素早さ|~演奏力|~ゲージ速度| |~|16065|8804|22412|1814|2469|100| |~|~攻撃耐性|~演奏耐性|~クリティカル発生率|~ダメージ増加率|~ガード発生率|~ダメージカット| |~|100%|200%|20%|100%|100%|500| //Lv100のステータスは覚醒ボーナス込みで、シンフォニアツリー分を引いた値 |>|>|>|>|>|>|~スキル| |~特殊攻撃|>|クレルヴォ交響曲|Lv極|>|>|30%の確率で、280%のダメージ&防御力を16%UP| |~音楽魔法|>|フィンランディア|Lv11|>|>|敵3体に624%のダメージ&味方全体のクリティカル発生率を20%UP&攻撃力を20%UP&特殊攻撃発動率を20%UP| |~|>|>|>|>|>|&attachref(,nolink, ){戦闘スキルアニメGIFを添付};| |>|>|>|>|>|>|~アビリティ| |~アビリティ:1|>|神の声が聞こえる|第1楽章|>|>|攻撃時、一定確率で味方1体の生命力を6%回復| |~|~|~|第2楽章|>|>|効果| |~|~|~|第3楽章|>|>|効果| |~アビリティ:2|>|お前に勇気があるか|第1楽章|>|>|攻撃時、一定確率で味方3体の攻撃力を6%UP| |~|~|~|第2楽章|>|>|効果| |~|~|~|第3楽章|>|>|効果| |>|>|>|>|>|>|~シンフォニア装備| |>|救国の聖剣|>|Lv70:攻撃力+3177 防御力+1039|>|>|シベリウスが持つシンフォニア装備。&br;振れば一国を救うと言われる伝説の聖剣。手にすると神の声が聞こえる。| //----------------------------------------------------------------------------- *ジャンヌ・シベリウスについて [#prof] 故郷を救ったことから「奇跡を起こす英雄」と呼ばれている彼女👑 どんな不利な状況でもその場を打破し、味方を勝利へと導いてくれますよ⚔ その姿は、英雄そのものですね👍(公式Twitterより) 2020年10月30日開催のガールズシンフォニーコレクションにて実装された☆5の楽団員。 // illust:[[>]] //----------------------------------------------------------------------------- #region(''元ネタ解説''_) モデルとなった人物はフィンランドの作曲家、ヴァイオリニストでもある ''ジャン・シベリウス''(1865/12/08-1957/09/20)。 アルファベット表記では''Jean Sibelius''。 『フィンランディア』、『トゥオネラの白鳥』、『悲しきワルツ』、『ヴァイオリン協奏曲』、『交響曲第二番』などが有名か。 ''フィンランドの国民的作曲家''として極めて高名であるが、シベリウス自身は''スウェーデン系フィンランド人''である。 ちなみにフィンランド語、スウェーデン語ともJの音はドイツ語のように 日本語のヤ行の[j]の音で調音する。 そのためシベリウスのファーストネームを''「ジャン」''でなく''「ヤン」''としている資料もあるが、 シベリウスは貿易商の叔父の影響でフランス語式にジャンと名乗った。 そのため本紹介においては''ジャン・シベリウス''表記に統一する。 シベリウスは、フィンランドがロシア帝国からの独立を目指し、そしてそれをなし遂げた時代に生を享けた。 彼の作品は主としてフィンランドの風土、スカンディナヴィアの神話、叙事詩などに取材したものが多く、 フィンランド人のアイデンティティの醸成において大きな役割を果たした。 ''【経歴】'' 1865年12月8日 ロシア帝国の自治領、フィンランド大公国ハメーンリンナに生まれる。 父のクリスチャン・グスタフ・シベリウスは医師、母マリア・カルロッタは牧師の娘であった。 ジャン・シベリウスには姉リンダマリア(1863-1932)と弟クリスチャン(1869-1922)がいる。 ちなみに現在フィンランドでは、シベリウスの誕生日12月8日は旗日(国民の祝日的な日)となっている。 1868年7月 父クリスチャンが腸チフスにより死去(2歳)。 多額の借金を背負ったシベリウス一家は母方の祖母の家に身を寄せた。 おじのペールはシベリウスにヴァイオリンを与え、これをきっかけにシベリウスはヴァイオリニストになることを志す。 1872-73年 叔母の指導によりピアノを習いはじめる(7歳)。 1875年 はじめての作曲をおこなう(9-10歳)。 ヴァイオリンとチェロのための小品で『Vesipisaroita(水滴)』と題された。 1880-1885年 ピアノ曲、室内楽など15の作品を作曲する(14-20歳)。 1885年 ヘルシンキ大学で弁護士になるべく勉強するも一年で退学し、ヘルシンキ音楽院に入学し作曲などを学ぶ(19-20歳)。 ちなみにヘルシンキ大学の男声合唱団は1883年創立で、シベリウスの男声合唱曲の初演に数多く携わっている。%%ケンカ別れではなかったようだ。%% ヘルシンキ音楽院は現在、シベリウス音楽院と改称されている。 シベリウスは当初、音楽院でヴァイオリン演奏を学ぼうとしたが、自分の実力が「名人」の域には達しないと悟り、作曲の勉強に没頭した。 本格的にプロになるためにヴァイオリンを練習し始めたのは15歳になってからだというから、 どうやら始めるのが遅すぎたようだ(ふつうのヴァイオリニストは5歳までには本格的な訓練を始める)。 シベリウスがヘルシンキ音楽院に学んだ1885年から1889年の間におよそ100曲を作曲し、名声を得る。 ヴァイオリニストになるという夢には未練があったのか、シベリウスは生涯を通して数多くのヴァイオリン曲を作曲している。 1889-90年 ベルリンに留学(23-25歳)。 アルベルト・ベッカーに師事。 1890-91年 ウィーンに留学(24-26歳)。 留学中、リヒャルト・シュトラウスの『ドン・ファン』の初演を見る。 ウィーン音楽院ではカール・ゴルトマルク、ロベルト・フックスに師事。 1891年に帰国。 フィンランドではピアニスト・作曲家のブゾーニらと交誼を結ぶ。 1892年 合唱交響曲『クレルヴォ』Op. 7を初演し大好評を博す(26-27歳)。 この『クレルヴォ』発表を以て、フィンランド音楽はドイツ音楽の模倣の段階を脱したと評価される。 ''アイノ・ヤルネフェルト''と結婚。 新婚旅行ではカレヴァラ(フィンランドの民族叙事詩)ゆかりの地を巡った。 シベリウスとアイノはEva、Ruth、Kirsti-Maria、Katarina、Margareta、Heidiの六人の娘を授かったが、 三女のKirsti-Mariaは1歳の時に腸チフスにより亡くなった。 1899年 『愛国記念劇』を発表(33-34歳)。 同曲集の第七曲を改作したものが交響詩『フィンランディア』Op.26として人気を博す(初演は翌1900年)。 同年、『交響曲第一番』Op. 39を発表。 また同年にはロシア帝国の''ニコライ二世''が''「フィンランドの自治権廃止宣言」を含む二月詔書に署名''。 これによりフィンランドでは''フィンランド人の自治が剥奪され、フィンランド語も禁止されてロシア語の使用が義務付けられる''。 『フィンランディア』はロシア帝国政府によって、フィンランド人の民族意識を高め独立志向を煽るとして演奏禁止処分とされた。 ロシア帝国による禁止下でも題名を変えるなどして『フィンランディア』は聴き継がれていった。 こうした時代背景も相俟って、『フィンランディア』は現在に至るまで第二の国歌として親しまれている(第一の国歌は『われらの地』)。 1901-02年 一家でイタリアに移住(35-37歳)。 1902年には『交響曲第二番』Op. 43を作曲し自ら指揮棒を執って初演、大成功。 1903年 『ヴァイオリン協奏曲』Op. 47を作曲(37-38歳)。 これは1905年に改訂されて、改訂版が現在主に演奏されている。 同年、劇付随音楽『クオレマ(死)』を作曲。 これは義理の兄アルヴィド・ヤルネフェルトの戯曲に音楽を付けたもの。 翌1904年に第一曲を『悲しきワルツ』Op. 44として改訂、初演し大好評。 1904年 トゥースラ湖の湖岸に夢のマイホーム「アイノラ」を建てる(38-39歳)。 ヘルシンキでの生活は、シベリウスにはストレスが多く辛かったといい、 「ヘルシンキでは、すべての曲が私の中で死んだ」とまで語っている。 ''「ヘルシンキでは、すべての曲が私の中で死んだ」''とまで語っている。 同年、日露戦争が勃発し、戦中の混乱に乗じてロシア化を推進したフィンランド総督ニコライ・ボブリコフが暗殺される。 1905年 ''第一次ロシア革命''(39-40歳)。 ニコライ二世は''「フィンランドの自治権廃止宣言」を撤回''。 しかし欧州が第一次世界大戦に至る緊張状態のなか、ロシアは再びフィンランド政府を解散させ自治権は有名無実化。 1906年 交響詩『ポホヨラの娘』を作曲(40-41歳)。 1907年 ヘルシンキでシャンパンとロブスターに溺れる生活を送る(41-42歳)。 稼ぎをほとんど酒とエビにつぎ込み、妻アイノは心身を病み療養施設に入院。 禁酒を決意したシベリウスは『交響曲第三番』Op. 52を作曲しヘルシンキにて初演。 マーラーと知り合い、交響曲作家同士意見を交わすが、あまり意見は合わなかったらしい。 [[マーラー>グレートヒェン・マーラー]]と知り合い、交響曲作家同士意見を交わすが、あまり意見は合わなかったらしい。 しかし%%「新作出したら旧作ファンって離れていくよねぇ」%%新規ファン層開拓の難しさという辺りは共感できたようだ。 1908年 咽喉の腫瘍を摘出する手術を受ける(42-43歳)。 手術自体は成功したが、アルコールに加えて葉巻まで慎まなければならなくなり、シベリウスは鬱病にかかる。 鬱はシベリウスを苦しめたが、この時期には内面的、内省的な佳曲が作曲された。 1911年 『交響曲第四番』Op. 63を作曲(45-46歳)。 1914年 ノーフォーク音楽祭に参加するため訪米(48-49歳)。 アメリカでシベリウスが行ったコンサートのチケットはすべて完売する人気ぶりであった。 帰途、サライェヴォ事件の報を聞く。 第一次世界大戦勃発に伴い印税が入らなくなり、注文を受けて小品を書く生活を送らざるを得なくなる。 1915年 シベリウス生誕50年の記念行事のため『交響曲第五番』Op. 82を作曲(49-50歳)。 1917年 ''ロシア革命によりロシア帝政が倒れる''(51-52歳)。 ボリシェヴィキ政権との交渉を通じて''フィンランドは独立を宣言''。 しかし国内の労働者の一部はソヴィエトへの合流を求め内戦となる。 1919年 パリ講和会議にてフィンランドは共和国として国際的に認知される(53-54歳)。 1922年 弟クリスチャンが死去(56-57歳)。 フリーメイソンに加入し、儀式音楽を作曲。 1923年 『交響曲第六番』Op. 104を発表(57-58歳)。 1924年 『交響曲第七番』Op. 105を発表(58-59歳)。 1925年 交響詩『タピオラ』Op. 112を発表(59-60歳)。 1939年1月1日 『アンダンテ・フェスティヴォ』をラジオ放送で指揮(73-74歳)。 これは後に放送音源としてCD化される。 この音源は現状確認されるなかでは唯一の自作自演録音である。 1939-1944年 ソ芬戦争(73-79歳)。 フィンランドは独立を守ったが、ナチス・ドイツとの連携などもあり戦後ソヴィエトへの賠償金支払いを求められる。 1957年9月20日 ヤルヴェンパーにて死去(91歳)。 死因は脳出血であった。 ヘルシンキ大聖堂にて国葬が営まれ、亡骸は自宅の庭に埋葬された。 ''【フィンランドとシベリウス】'' シベリウス以前のフィンランドにおけるクラシック音楽は、主としてドイツ人作曲家の音楽の焼き直しであった。 ロシアにおいてグリンカが国民楽派を創始したように、ドイツ・イタリア・フランスなどで生まれ、洗練されていった音楽に対して、 ロシアにおいて[[グリンカ>ミーリャ・グリンカ]]が国民楽派を創始したように、ドイツ・イタリア・フランスなどで生まれ、洗練されていった音楽に対して、 フィンランドに古くからある土着の信仰や伝承、風土に根差した音楽をシベリウスは描いた。 それは取りも直さず、フィンランド人が単なるヨーロッパ人という枠組みの一部分としてでなく、 独自の文化的背景を有する「フィンランド人」であるとの意識を高めていく作曲活動であった。 ロシアからの独立を図った時代にあって、フィンランド人としてのアイデンティティを醸成する上でシベリウスの音楽は大きな役割を果たした。 また、フィンランドはその言語においても独特の特徴を有する。 日本語と同じ膠着語で、また外来語も独自の響きに翻訳して使用することが多い(銀行を表す「バンク」が「パンキ」とされるなど)。 欧州の諸語は例えばラテン語、ギリシア語、スラヴ語など中核となる言語を習得すれば、その派生として理解できることが多いが、 フィンランド語はロシア語やスウェーデン語が分かるからといって簡単に理解できるような性格の言語ではない。 シベリウスはスウェーデン語を母語とする家庭に生まれ、フィンランド語を公用語とする学校に学んだ。 そうした言語的環境も、フィンランドという国、人々の集まりに対する何らかの示唆をシベリウスに与えたのかもしれない。 民族としてはスウェーデンにルーツのあるシベリウスが、フィン人を中心とするフィンランドの国民的作曲家となったのである。 シベリウスは、政治的にフィンランドの象徴として利用された。 冬戦争では戦費を稼ぐため、シベリウスの肖像と「みなさんの助けが必要」という文字がプリントされた切手が米国で発売された。 継続戦争でフィンランドがナチスドイツと接近したことによってフィンランドの国際的な地位が危うくなった時にも、 シベリウスの名前で英米に対して理解を訴える記事を書くよう政府から要請された。 1957年のシベリウスの訃報に接し、国連総会では黙禱が捧げられた。 フィンランドの作曲家シベリウスの音楽は、フィンランドという国を離れても、広く人々の宝として愛されている。 ''【シベリウスの音楽】'' シベリウスは、フィンランドや北欧の土俗風土に根差した音楽を多く作曲した。 比較的初期の作品である交響曲第一番やヴァイオリン協奏曲についてはチャイコフスキーの影響が指摘される。 比較的初期の作品である交響曲第一番やヴァイオリン協奏曲については[[チャイコフスキー>イリーナ・チャイコフスキー]]の影響が指摘される。 チャイコフスキーの影響下から脱して土着の音楽に注目するというのは国民楽派以降の作曲家あるあるである。 また唯一のオペラである『塔の乙女』にはヴァーグナーの、交響詩にはリストの、交響曲などにおいてはブルックナーの影響がみられるとされる。 また唯一のオペラである『塔の乙女』には[[ヴァーグナー>リカルダ・ワーグナー]]の、交響詩には[[リスト>フリーデ・リスト]]の、交響曲などにおいては[[ブルックナー>ノーティア・ブルックナー]]の影響がみられるとされる。 シベリウスの音楽の特徴は、一つのモティーフを大切に育み展開させていくスタイルで、大作とされる交響曲や交響詩において特に顕著である。 マーラーの交響曲にみられるような、急激で不連続的なモティーフの変化は採用せず、腰を据えてじっくりと一つのモティーフを変化させていくことが多い。 弦楽器に対する思い入れもまた特徴の一つである。 年譜に掲げたように、当初シベリウスは作曲家ではなくヴァイオリニストになることを志していた。 その望みは絶たれたが、彼の中には長くヴァイオリン、弦楽器への強い思いが息づいていたと見え、ヴァイオリン曲、弦楽曲には佳曲も多い。 ''【補遺:おすすめの曲、シベリウスといえばコレ的な曲】'' ・''ヴァイオリン協奏曲'' 作曲時期は『交響曲第二番』と『第三番』の間にあたる。 シベリウスならではの交響的にして室内楽的な協奏曲で、名人芸のひけらかしとは一線を画する作品である。 現在普通に演奏されているものは改訂版で、改訂前の版については演奏にシベリウスの子孫(今は娘さん)の許可が必要。 シベリウス本人は演奏を禁じたので、その意を酌むなら大人しく改訂版を演奏するのが良さそう。 急-緩-急のオーソドックスな三楽章構成であるが、自由なソナタ形式で描かれる第一楽章はヴァイオリン協奏曲史において屈指の完成度を誇る。 第一楽章は三つの主題が提示され、それをカデンツァ(ヴァイオリン・ソロ)で展開、再現部に至りコーダで結ぶという構造。 冒頭部分のソロ・ヴァイオリンが奏する「極寒の澄み切った北の空を悠然と滑空する鷲のよう」な旋律、 寒さの厳しさの中に高い熱量で語り掛けてくる重音の主題、スケールの大きな金管に暗さと力強さの同居するカデンツァ、 舞曲めいて最後へ突き進むコーダと、どこを取っても魅力的な楽章。 第二楽章は第一楽章の金管の響きとは打って変わって木管の優しい音色に始まり、ヴァイオリン・ソロがきこえてくる。 中間部は劇的であるが、その劇的な時間は長くは続かず、また穏やかに中弦、木管の主題提示から第二楽章は静かに終わっていく。 北欧らしい澄んだ空気と、家の中の温かさが想起されるような楽章である。 第三楽章は自由なロンド形式で、舞曲的な様相。 構造としてはシンプルなA-B-A-B-A'というもので、華麗で楽しく聴きやすい楽章。 弾いていると、つい足元が動き出してしまう。 録音は数多く出ており、名盤として語られるものも多いが、個人的なお勧めをいえば以下の二つ。 まずはNAXOSから出ているノルウェー人ヴァイオリニスト、クラッゲルードの盤。 フィンランドの空気、木立や土の香り、美しい湖、澄んだ空を飛んでいく鳥の群れ、 そんなものたちを気負わず表現することができるヴァイオリニスト。 クラッゲルードはシベリウスの小品の録音を多く残しており、どれも一聴の価値があるが、これは出色のもの。 少し古いがクーレンカンプの盤もいい。 いかにもドイツ人的な、しっかりと構成された音楽を基礎としたクーレンカンプ独特の歌いまわしが魅力的。 所謂名盤といわれるのはクレーメル(ロジェストヴェンスキー/ロンドン響)の盤とオイストラフ(オーマンディ/フィラデルフィア)の盤であろう。 クレーメルの明晰な解釈、深みと、オイストラフの確かな技巧に裏打ちされた音楽表現は確かに名盤の名にふさわしい。 ただ個人的には立派すぎて聴き疲れする気が…。 それから北欧の音楽特有の冷たい透明な情緒というか、そういう雰囲気は聴こえてこない気もするので個人的にはお勧めではないけれど、 間違いなく立派な演奏、間違いない技巧のヴァイオリンなのでその点では推薦できる。 あとはハイフェッツの盤もよく聴かれる%%が個人的には好みでない%%。 シベリウス本人が推薦した演奏家の録音ではカミラ・ウィックス(エールリンク/ストックホルム放送響)の盤もあるが、 ちょっと演歌調というか熱の入った演奏で、好き嫌いはある。 とにかく録音は数多くあるし、演奏会でも度々選曲されるので、興味のある指揮者様は生でご一聴あれ。 ・''フィンランディア'' 言わずと知れたシベリウスの代表作。 「シベリウスの曲で知ってる曲は?」と尋ねると十人中七、八人はこの曲を答えるだろう。 序奏部を含んだ三部形式の曲であり、序奏部はAndante SostenutoとAllegro Moderatoの二つの部分に分かれている。 重く悲痛な序奏部に始まり、それが終わると美しく輝かしい主部に入り、中間部では「フィンランディア讃歌」として有名な部分が奏される。 最後は再び輝かしい主部が再現されて曲が結ばれる、という構造の曲である。 「フィンランド讃歌」とは、ソヴィエト・ロシアとの講和によりカレリア地方が割譲された1940年の翌年である1941年に、 この中間部の旋律にフィンランドの詩人コスケンニエミ(1885-1962)が歌詞を付け、シベリウスが合唱用に編曲したものである。 フィンランディアとして演奏される時にも、「フィンランド讃歌」部分に合唱パートが加わることがある。 録音も数多くあり、またプロの演奏家のみならず一般の音楽愛好家の間でも愛奏・愛唱されている。 ある世代の人びとには『世界名作劇場』の「牧場の少女カトリ」の挿入曲としても有名。 「牧場の少女カトリ」にはほかにも『トゥオネラの白鳥』や『カレリア組曲』などのシベリウス作品が挿入曲として使われている。 いわゆるシベリウスらしさ(冷たく透明な響き、青い色彩の音楽)は控えめだが、その分一般受けする曲に仕上がっている感がある。 手に入りやすい録音としてはヤンソンスの盤(バイエルン放送響)、カラヤンの1952年盤(フィルハーモニア)辺りがまずまずお勧めか。 ポップな仕上がりのオーマンディの1972年盤(フィラデルフィア)もお勧めできるが、これは合唱付き。 サー・バルビローリの盤(ハレ)はロンドンのアビーロード・スタジオの録音で、色々な意味でお勧めできる。 サー・バルビローリはシベリウスの作品の録音も多く残しているが、「フィンランディア」以外では「悲しきワルツ」も結構オススメ。 ・''交響曲第二番'' 言わずと知れたシベリウスの代表作その2。 後の作品(交響曲でいえば第四番以降)にみられるようなシベリウス感はまだまだ薄く、それゆえ聴きやすく人懐っこい曲といえるかも。 録音は玉石混交で、お世辞にもお勧めできないものも多く、端正なようでいてシベリウスならではの色彩が聴こえない類の録音もまた多い。 シベリウスらしさを聴けるという点では、ベルグルンドの1986年盤(ヘルシンキ)、次いで2005年盤(ロンドン響)をお勧めする。 シベリウスの大ファンであり(自宅凸するレベル)その実力をシベリウスに認められてもいたオーマンディの1972年盤(フィラデルフィア)もまずまずお勧め。 ・''交響曲第三番'' 前期シベリウスと後期シベリウスの分水嶺的な交響曲。 人懐っこさと北欧の冷たい空気感の両方を兼ね備えた作品だが、如何せん演奏される機会が少ない。 指揮者様方におかれましては演奏会のプログラムに、もっと取り上げてください。 録音としてはベルグルンドの1987年盤(ヘルシンキ)をお勧めする。 ムラヴィンスキー盤(レニングラード)もオモシロい。 ・''交響曲第四番'' 鬱な気分に浸りたいときに聴きたい曲第一位(筆者調べ)。 とにかく暗く、陰鬱で、そして美しく、透明な作品。 咽喉の腫瘍を切除する手術を受けたシベリウスが、医師から酒もタバコも禁止され、死と向かい合って作曲したもの。 暗闇の中で、どこか遠くにかすかな光を求め彷徨う魂、不安のなかで、それでも生命に向かう希望、病を乗り越えた手ごたえの結実。 批評家のウケは悪かったが、シベリウス曰く「彫像になるのはいつでも作曲家。批評家なんて歴史に残らない(意訳)」。 録音としてはベルグルンドの1984年盤(ヘルシンキ)を取り敢えず聴いてみては。 サロネンの盤(スウェーデン放送響)やオッコ・カムの盤(ラハティ)もまずまずオススメ。 ・''交響曲第七番'' 単純な音階から始まるこの曲は、シベリウスの残された交響曲の中では最後の一曲に当たる。 この曲の完成度が高すぎたあまり、シベリウスは途中まで出来ていたとされる第八交響曲のスケッチを暖炉にくべて焼いてしまった。 交響曲としてはかなり異例の単一楽章構成であるが、交響曲という形式において通常含まれるソナタ形式的な部分、 緩徐楽章的な部分、スケルツォ的な部分を一楽章に凝縮し描かれた、交響曲という概念の精華のごとき作品である。 演奏時間も20分強と交響曲にしては短く、はじめてでも聴きやすい部類の曲か。 録音としては、やはりベルグルンドの1984年盤(ヘルシンキ)がベタな所。 ザンデルリンクの1976年盤(ベルリン響)もバランスがよく、この曲の魅力が聴きやすい仕上がり。 ムラヴィンスキーの盤(レニングラード)は最初聴いたときには思わず笑ってしまったが、聴き込むごとに味を感じ、今では結構好きな盤。 #endregion //----------------------------------------------------------------------------- #region(''ボイス''_) |>|~アルバム収録ボイス| |~シーン|~セリフ| |自己紹介(初登場)|| |戦闘開始|| |編成団員に選出|| |補佐官ボイス①|| |タイトルコール|ガールズシンフォニー| |通常攻撃①|| |通常攻撃②|| |味方ステータスアップ|| |味方ステータスダウン|| |ログインボイス①|| |生命力回復|| |補佐官ボイス②|| |敵撃破|| |音楽魔法発動|| |顔見知り|| |ダメージ発生|| |大ダメージ発生|| |団員レベルアップ|| |補佐官ボイス③|| |戦闘不能|| |戦闘勝利|| |贈り物① (普通)|| |贈り物② (喜び)|| |ログインボイス②|| |補佐官ボイス・放置|| |進化|| |友人|| |親密|| |超進化|| |時報 (0時)|| |時報 (1時)|| |時報 (2時)|| |時報 (3時)|| |時報 (4時)|| |時報 (5時)|| |時報 (6時)|| |時報 (7時)|| |時報 (8時)|| |時報 (9時)|| |時報 (10時)|| |時報 (11時)|| |時報 (12時)|| |時報 (13時)|| |時報 (14時)|| |時報 (15時)|| |時報 (16時)|| |時報 (17時)|| |時報 (18時)|| |時報 (19時)|| |時報 (20時)|| |時報 (21時)|| |時報 (22時)|| |時報 (23時)|| |元旦限定ボイス①|あけましておめでとう、指揮者殿。今年も指揮者殿と戦えることを実に楽しみにしているよ。だが、今年は敵もより強くなっていくだろう。&br;めでたい日だというのにひとときも油断ができない……実に残念なことだな。| |元旦限定ボイス②|指揮者殿はおせち、とやらを食べたことはあるか? 実に細かい、芸術のような食事だよ。あれは素晴らしいものなのだが……どうも量が少なく思えてね。&br;三段では少し足りないと思うんだが、どうだろう?| |元旦限定ボイス③|初詣か……神に祈りを捧げるのは良いことだね。私のところにも、音楽院をこれまで以上に支えろという、神のお告げがあったところだよ。&br;指揮者殿のところには、そのようなお告げはなかったかな?| |クリスマス限定ボイス①|| |クリスマス限定ボイス②|| |クリスマス限定ボイス③|| |大晦日限定ボイス①|| |大晦日限定ボイス②|| |大晦日限定ボイス③|| |ゲーム開始1年限定ボイス①|| |誕生日限定|指揮者殿、誕生日おめでとう。面と向かって言うのは……面はゆいものだが……しかし、めでたい日であるのは事実だ。&br;これから二人でパーティとしゃれ込まないか。大盛りのロブスターとともにな。| |>|~アルバム未収録ボイス| |指揮者誕生日|| //region内表整形用 |LEFT:1024|c | | #endregion //----------------------------------------------------------------------------- #region(''表情差分''_) |CENTER:|CENTER:|CENTER:|c |~喜び|~怒り|~悲しみ| |&attachref(,nolink,60%, );|&attachref(,nolink,60%, );|&attachref(,nolink,60%, );| |~照れ|~真剣|~驚き| |&attachref(,nolink,60%, );|&attachref(,nolink,60%, );|&attachref(,nolink,60%, );| #endregion //----------------------------------------------------------------------------- *コメント [#tbf45471] #pcomment(./コメント,reply,15)