オーボエは「高い音、大きな音の木」を意味するフランス語を由来とした木管楽器である。
二枚のリードを震わせることで音を出すダブルリードの楽器であり、分類上はクラリネットではなく、ファゴットの仲間、と言える。
ダブルリードの楽器自体は、古代エジプトの壁画にも描かれているほど歴史は古いが、
軍隊が屋外で使用する笛、ショームを17世紀半ばのフランスで室内音楽用に改良されてできたものがオーボエになったとされている。
最初期のオーボエは、キィが2,3個しかなく、各地で独自に改良を加えていった結果、ドイツ式、と呼ばれるものが広がっていった。
しかし、19世紀にフランスで開発されたコンセルヴァトワール式は操作性、音質に優れ、ドイツ式にとって代わっていく。
20世紀初頭、フランスに留学したフリッツ・フレミングが、コンセルヴァトワール式のオーボエをベルリン国立歌劇場のオーケストラで演奏。
リヒャルト・シュトラウスが彼の演奏を賞賛し、「これからはコンセルヴァトワール式以外ありえませんぞ」と言い出したお陰でその流れが加速し、現在ではコンセルヴァトワール式が一般的になった。
一方廃れていったドイツ式であるが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で使用され続け、1970代に職人が不在となったものの、ヤマハなどがその製作を引き継ぎ、ウィーン式、として現在も残っている。
上管、下管、ベルの三部位で構成されていて、上管に直接リードを挿し込んで演奏する。
この構造で音の高さを調節するにはリードの形状を変える必要があり、現場でそれをするのはほぼ不可能なため、オーケストラのチューニングではオーボエの音を基準として他の楽器が音を合わせる事になる。
オーボエの中はとても狭く、木管楽器の中では息が余りがちなる為、一息で長い時間吹ける反面、ほとんど息を止めている状態になり、ブレスに時間がかかる。
しかし、この構造は他の木管楽器ほど肺活量は必要なく、キィの構造も、クラリネット、フルートよりもコンパクトにできており、孔を指で抑える必要もないため小柄な人にも扱える楽器と言える(扱いやすいとは言っていない)。最も扱いが難しい木管楽器としてギネスブックに載ってるらしい。
リードは完成品もあるが、基本的にはプロアマ問わず自作して自分にあったものを作る必要がある。
このリードの手入れに使うのが、羽根(小羽)である。
水の入ったコップにリードの先端を浸け、反対側から羽根を入れ、中の汚れを押し出していく。
この時力任せに抜き差しすると、リードを傷つけてしまう。あくまで優しく、丁寧に。
もっともこのリードも消耗品であり、いずれ新しく作る事になるのだが。
スキル名「木々の接吻」については、これといった元ネタらしきものは見当たらない。
木管楽器である事と、管楽器の中でも唇の形(アンブシュア)が独特である事からだろうか。
(元ネタに心当たりのある指揮者諸氏、情報求む)
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