グスターヴ・ホルスト(1874-1934)。
イギリスの作曲家で代表曲は「管弦楽の組曲『惑星』」だが主に合唱曲を多く手掛けており、吹奏楽曲なども知られている。
人
作曲家として知られているホルストだが音楽面において作曲に限らず指揮、演奏、合唱、音楽教師をこなす「オールランダー」だった。
音楽院を卒業後はオーケストラ奏者、その後合唱団に入り、指揮者になり結婚、その傍ら作曲もこなすというマルチ肌。
しかし作曲家としてはどうも良いとは言い難く、一時スランプに陥ってた時があった。
その気分転換で旅行した事が後の大名曲組曲「惑星」を生みだす事になる。
惑星について
ホルストを語る上で避けて通れないのが組曲「惑星」の話。 スキル名、アビリティ名共にこれが元ネタになっている。
「クラシックの惑星=木星」で「木星=よく歌われている奴」なんて解釈される事も少なくないのだが
すこし細かく説明すると「組曲『惑星』op32」は7つの楽曲で編成されており、出で立ちの理由(後述)で副題が付けられている。
・火星、戦争をもたらす者 ←The Bringer of Warはこれ
・金星、平和をもたらす者
・水星、翼のある使者
・木星、快楽をもたらす者
・土星、老いをもたらす者
・天王星、魔術師
・海王星、神秘主義者
実はこのタイトルの経緯が少し変わってて「天文学」で付いたのではなく「占星術」から付いている。
その為星相応に準じたサブタイトルが付いておりそれぞれ曲の雰囲気も含めた意味になっている。 また順番も地味に違っている。
経緯としてはスランプに陥ったホルストが旅行に行ってた際、同行してた友人から教わったものだったりする。
…というよりホルスト自身の作曲の傾向として「何か興味を持って教わったものを重点的に作曲する」傾向があったいう。
(一時インド文学に興味を持ち「インドラ」「シーター」「サーヴィトリー」という曲や組曲を書いていた)
一概に木星というとよく歌われる部分があるが、あの部分だけを指す言い方に「サクステッド」というものがる。
これは惑星を発表後、ホルスト本人が抜粋して「管弦楽付コラール」に改作されたものに歌詞が付き一気に知れ渡った。
この管弦楽付きコラールが「我は汝に誓う、我が祖国よ」であり、後にイギリスの愛唱歌として今も歌われている。
…が、これに限らず多くの歌詞が付けれられており、順次編曲が行われているのが現状。
そんな事になっている組曲「惑星」だが、ホルスト本人はこの組曲の編曲に対してはかなり強固な考えを持っていた。
「組曲『惑星』の(アマ楽団による縮小編成化へを除き)楽器編成及び抜粋演奏を禁止」を挙げており、死後も原則守られていたのである。
これを打ち破ったとされるのが冨田勲著の「シンセサイザー版惑星」。これが許可された後、ロックになったりして多くのバージョンが登場する事となった。
惑星以外のホルスト
「ホルストで惑星以外」となると…「ホルスト第1」を挙げる人も居る。
正式和名は「吹奏楽のための第1組曲」。 その名の通り吹奏楽向けの楽曲である。
出た時期が(ブラスバンド内では)かなり古く古典的楽曲としてよく扱われているのだが
出た当時はそんな編成の考えは非常に少なく、事情や目的といったものが特に見つかっていないし、原譜ではピアノやら色々オプションが付いていたとかどうとか。
しかし当時の指揮者は「この組曲はバンド編成前提で考えられている」と述べていた。
それ以外にもサマセット、ムーアサイド、ハマースミス等がある。
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